18~20日に徳島市のあわぎんホールで開かれる徳島国際短編映画祭で上映される作品が決まった。新たに阿波市出身の三木孝浩監督の作品などが加わり、徳島関連は15本、総本数は県内12市町村のPR動画を含めて56本になる。

 ジャンルはドラマのほか、ミュージックビデオやホラーなど幅広く用意。短編のため、1回につき4、5本を続けて上映する。スケジュールは決定次第、県や映画祭のホームページで公表する。

 三木監督の作品は、女性歌手の楽曲の世界観を映像にした2008年作の「優しい赤」。ほかに、松山市出身の映画監督高岡尚司さんが神山町の四国霊場12番札所・焼山寺周辺で撮影し、西東京市民映画祭の自主制作映画コンペティションで最優秀作品賞を受賞した「虹の麓まで」などが出品される。

 国内最大級の短編映画祭・札幌国際短編映画祭からは、15年の映画祭の受賞作品を中心に29本が提供される。

 映画祭は県の政策コンセプト「vs東京」に基づいて地方創生を目指す「vs東京」実践委員会の主催。県地方創生推進課は「徳島の魅力を詰め込んで世界に発信している制作者の活躍を知ってほしい」と来場を呼び掛けている。

 ◎総合ディレクター 菱川勢一さんに聞く

 徳島国際短編映画祭の発案者で総合ディレクターを務めるデザイン会社・ドローイングアンドマニュアル(東京)社長の菱川勢一さん(46)=写真=に、短編映画の魅力や映画祭の見どころについて聞いた。

 -なぜ短編映画なのか。

 短編は映像コンテンツとして圧倒的な可能性を秘めている。映像機器の値段が下がり、個人や少人数でも質の高いものが作れるようになった。東京一極集中だったコンテンツ生産の拠点が分散するのを感じている。

 -映画祭のプロデュースの方針は。

 今回、徳島に多くの作品を提供する札幌国際短編映画祭は、長く続けた結果、成果を出している。徳島の映画祭も一過性で終わらないものにしたい。映画が好きな人がうなるような誠実な内容にしたい。

 -映画祭を通して何を呼び掛けたいか。

 徳島に足りないのは映像制作などのクリエーティブな産業。そこにはまだまだ伸びしろがあり、徳島に従来あるものと合わせるとバランスの取れた豊かな場所になると思う。作品を見て映像を作りたいという気持ちが生まれたら、短くても構わないので、ぜひ皆さんも作りましょう。