命を奪い、脅かす災害が途切れることなく起きている。北海道ではきのう、胆振(いぶり)地方中東部を震源とする地震が発生し、厚真町で最大震度7を観測した。

 震源の深さは37キロで、地震の規模はマグニチュード(M)6・7と推定される。国内で震度7が観測されたのは、2年前の熊本地震以来で6回目である。道内では初めてだ。

 山の斜面が至る所で崩れ、土砂にのみ込まれた家々が惨事を物語るように、強い揺れが道内を襲った。多数の死傷者が出ている。

 安否不明者も刻々と増え、懸命の捜索活動が続く。わが身の安全を確保しつつ、被災者の救命、救助に全力を挙げてほしい。

 地震はライフラインを直撃した。道内各地で電話がつながりにくくなっているほか、水道管の破裂による断水も相次いでいる。役所や交通機関の機能がストップする事態にも陥った。

 深刻なのは、北海道電力管内の全域が一時停電したことである。一部で復旧したとはいえ、大部分の地域で停電が続いている。

 とりわけ医療現場で電力供給が遅れ、水が確保できない状況が続けば、救える命が救えなくなる。市民生活への影響が長期化しないよう、ライフラインの復旧を急がなければならない。

 政府は、4千人態勢で活動を開始した自衛隊を2万5千人に拡充することを明らかにした。関係機関と連携し支援に当たってもらいたい。

 泊村にある停止中だった北海道電力泊原発は、外部電源が一時喪失した。1~3号機の原子炉に核燃料はなく、非常用電源により使用済み核燃料プールを冷却した。異常はみられないというが、警戒は怠れない。丁寧な情報発信も欠かせないだろう。

 心配されるのは余震だ。気象庁は「1週間ほどは震度6強程度の地震に気を付ける必要がある」と強調している。強い揺れで地盤が緩み、斜面が崩れやすくなっている地域もあるだけに、油断は禁物である。

 危険と思われる箇所が近くにあれば、速やかな避難を心掛けたい。「これまで大丈夫だったのだから、これからも大丈夫」という認識は、今回の地震を機に、改めなければなるまい。

 災害と無縁に過ごすことはできない時代に入っていると思わざるを得ない。6月には大阪府北部で震度6弱を観測し、7月には西日本で豪雨に見舞われた。

 先の台風21号は、徳島県内ばかりか、各地に深い爪痕を残した。災害は予期せぬ事態を引き起こす。関西空港を機能不全にし、海上立地の脆弱(ぜいじゃく)さを浮き彫りにもした。

 西日本は阪神大震災以降、地震の活動期に入ったと指摘されている。命を守り、身の安全を確保していくため、普段から備えや避難について、しっかりと話し合い、確認し合っておくことが肝心だ。