牟岐町河内の町指定天然記念物「笹見のムクノキ」を舞台にした作品展「むくの木芸術祭」が6日から開かれる。2015年の牟岐・出羽島アート展に参加した造形作家早渕太亮(たいすけ)さん(31)=徳島市大谷町大開=がムクノキを気に入り、住民の協力を得て初めて催す。4月10日まで。観覧無料。
「世界一ちいさな野外芸術祭」と銘打ち、早渕さんが小型の彫刻を展示するほか、昨年のアート展で河内地区に作品を展示した作家ら4人が小さな本や詩などを出品。8点ほどをムクノキの下に飾る。
開催期間中、日曜日の午後1時半~3時半に住民有志が茶席を設け、無料で抹茶を振る舞う。雨天中止。
早渕さんはアート展でムクノキを囲むように小屋を設けた作品を制作した際、大木の素朴なたたずまいに魅了された。「ここでもう一度、作品展示をしたい」と昨年11月、住民や知人の作家らに相談し、賛同を得た。
今年のアート展(27日まで)では、同地区での作品展示がなくなり、住民からは寂しがる声が上がっていた。芸術祭に協力する会社員高戸久さん(66)は「昨年は地域が盛り上がっただけに、それが一過性に終わるのではと懸念していた。再び展示会を企画してくれてうれしい」と喜ぶ。
早渕さんは「地域の人はもちろん、昨年にムクノキを訪れてくれた人たちにも楽しんでほしい」と話している。