列車故障を想定した訓練で、けが人の有無などを確認する車掌=海陽町奥浦のJR牟岐線

列車故障を想定した訓練で、けが人の有無などを確認する車掌=海陽町奥浦のJR牟岐線

 JR四国と阿佐海岸鉄道(海陽町)は5日夜、同町奥浦のJR牟岐線で、運行中に故障で動かなくなった列車を最寄りの駅に移動させる合同訓練を初めて行った。

 両社の職員50人が参加。阿南駅に向かうJRの列車1両が、海部駅から約300メートルの地点でエンジンが故障したとの想定で実施した。

 車掌は乗客に故障を知らせた後、けが人の有無や停車地点を確かめ、徳島運転所(徳島市)を通じて阿佐海岸鉄道に救援を要請した。海部駅で待機していた阿佐海岸鉄道の列車1両が現場に向かい、職員らが手動で列車の連結やポイントの切り替えをし、故障列車を海部駅までけん引した。

 JR四国が、四国の他の鉄道会社と列車を連結させる訓練を行うのは初めて。阿佐海岸鉄道の岡本真一専務は「今後も機会があれば訓練を重ね、いざという時に備えたい」と話した。