なぜかしら、大きな災害に見舞われた年は往々にして、歓喜を呼ぶスポーツの話題が生まれる。そして、沈みがちな被災地を勇気づけている

 阪神大震災が起きた1995年はプロ野球。神戸が本拠地だったオリックスが新球団になって初のリーグ制覇を果たした。「がんばろうKOBE」を合言葉に、イチロー選手らが躍動した

 東日本大震災の2011年は、サッカーのなでしこジャパンが奮起した。女子W杯で悲願の初優勝。横断幕を掲げ、震災支援への感謝を世界に伝えもした。なでしこもオリックスも、使命感として被災地の思いを背負っていたことだろう

 米国から昨日届いた朗報は、地震被害に落胆する北海道の励みになったに違いない。女子テニスの全米オープンで、大坂なおみ選手が決勝に進んだ。日本人女子で初の快挙である。米国人の父と日本人の母を持つハーフ。母は北海道根室市出身で、本人の住民票は札幌市にあるそうだ

 震度7の揺れに襲われた地域ではいまも土砂崩れ現場で懸命の救出作業が続いている。悲しみの底にいる人の肩にそっと手を置く。大坂選手の活躍が、そう受け止められたらと願う

 米国生活が長かった大坂選手は、日本語が苦手で猛特訓中とか。進境著しい言葉で「古里」にエールを送ってほしい。もちろん、優勝トロフィーを頭上に掲げて。