サテライトオフィス「HARBOR出羽島」でワークショップの参加者と談笑する坂東さん(中)=牟岐町沖の同島

サテライトオフィス「HARBOR出羽島」でワークショップの参加者と談笑する坂東さん(中)=牟岐町沖の同島


 牟岐町沖の出羽島に10日、築約80年の古民家を再生したサテライトオフィス(SO)「HARBOR(ハーバー)出羽島」がオープンした。県内外で古い空き家の再生を手掛ける徳島市出身の建築家坂東幸輔さん(36)=東京都=が、月に1週間ほど滞在して設計業務に取り組む。島内にSOができたのは初めて。

 坂東さんは、昭和初期に建てられた集落西部の古民家(木造2階建て延べ約86平方メートル)を購入して改修し、SOにした。坂東さんの仕事場とし、島民から依頼があれば、古民家の再生も請け負う。古民家再生に関心のある学生らの学びの場としても利用してもらう。

 2015年1月、古民家を交流拠点施設に改装する牟岐町の空き家再生プロジェクトに参加したのをきっかけに、情緒ある家に住みたいと思うようになりSOの設置を決めた。古民家の購入・改修費は約350万円。

 10日、県内外の学生や社会人計8人を対象に空き家再生ワークショップを開催。改修中の木造家屋を訪ね、土壁の下地となる竹組みの作り方を、職人から学んだ。

 近くの漁業鈴木歡一さん(72)は「古民家の建築を学びに若者がたくさん来て、島がにぎやかになったらうれしい」と喜ぶ。

 坂東さんは「伝統的な民家と漁村風景が残る出羽島は貴重な場所。SOでの事業を通じて来訪者が増え、島を好きになってくれたら」と話している。