東日本大震災の発生から5年を迎えた11日、徳島県警は南海トラフ巨大地震の津波を想定した初動対応訓練を行った。全13警察署や各自治体への情報伝達の手順を確認したほか、沿岸部にある署では園児を避難誘導したり避難路の危険箇所を点検したりした。
南海トラフを震源とするマグニチュード9・1の地震が発生し、大津波警報が出されたとの想定で実施した。
午前10時3分、県警本部に警報発令の情報が入ると、通信指令、警備の両課員10人が無線や電話で各署に伝達。浸水被害が予想される地域にある8署には、美波町と徳島市に津波が到達した情報も無線で伝えた。情報を受けた各署は管内の自治体に連絡した。
警報発令を受け、阿南署管内では、署員4人が津乃峰保育所(阿南市津乃峰町長浜)の園児ら52人を近くの複合施設「津乃峰総合センター」へ避難誘導した。署員が園内で「大きな地震が発生しました」と拡声器で呼び掛けると、園児は防災頭巾をかぶって園庭に集合。手をつないでセンターまで歩き、約5分で高さ約13メートルの屋上へたどり着いた。
牟岐署は10分以内の避難を目標に訓練を行い、負傷者と留置者役の署員を近くの大谷避難広場に誘導した。被災時には牟岐町中村の正観寺が署の代替施設となることから無線車両も寺に移動させた。
小松島署では、管内6交番、駐在所の各署員が避難路の危険箇所を点検。ブロック塀の倒壊や土砂崩れの恐れがある場所を確認した。