北海道の地震の影響で値上がりしているサンマ=徳島市山城西4のキョーエイ沖浜店

 北海道で最大震度7を観測した地震から丸1日たった7日、道産の農水産物の流通が滞り、徳島県内の一部スーパーでサンマとダイコンの価格が地震前の1・5倍前後に上がるなど、県民の台所にも影響が出ている。入荷減や値上げは乳製品に広がる恐れがあり、関係者は気をもむ。

 道内は停電のため、水揚げされたサンマの氷詰めができなくなったほか、陸路、空路ともまひ。今後の品薄が見込まれており、仕入れ値が上がっている。

 県内スーパー大手のキョーエイは、生サンマ30匹当たりの仕入れ値が3千円から6500円になり、販売価格を1匹198円から298円に値上げした。

 徳島市の沖浜店では2日に1匹100円の特売をしたばかり。徳島市秋田町の会社員和佐好明さん(55)は「家族3人で食べたサンマがとてもおいしかったのでまた買いに来たが、高くて手が出せない」と1匹だけ購入した。

 キョーエイによると、ダイコンも仕入れ値が上昇し、1本238円から298円になった。ニンジンの仕入れ値も1・3倍になっている。

 青果卸の徳島青果(徳島市)によると、県内に流通しているダイコンとニンジンはほぼ100パーセント道産だが、台風21号の影響に加え、停電により貨物列車などで運搬できず、週明けからは入荷量が減る可能性が高い。タマネギ、ジャガイモ、カボチャなども道産が主流だが、他地域から調達するなどして対応する。

 乳業工場などが稼働していない影響で、牛乳やチーズ、バターなども品薄になる可能性がある。

 そごう徳島店(徳島市)で7日から始まった食のイベント「秋の全国うまいもの大会」には、北海道から5店が出店。9日までは在庫があるが、総菜などの一部商品は再入荷できない恐れがあるという。