マンホールカードを配布している鳴門市下水道課=市役所

松茂町のマンホールカード

 下水道への関心を高めるため発行している全国各地の「マンホールカード」が人気を集めている。各自治体に訪ねるきっかけにもしてもらおうと、現地でしか手に入らない仕組みだが、地域色豊かな”ご当地図柄“のユニークさと収集する楽しさが魅力になっているようだ。徳島県内では鳴門市と松茂町が発行しており、希望者の多くが県外から訪れている。2017年4月に県内のトップを切って配布を始めた鳴門市では当初の2000枚がなくなり、増刷した。

 マンホールカードは、下水道事業の情報発信を手掛ける「下水道広報プラットホーム」(東京)が企画監修し、2016年4月に自治体と共に発行を始めた。

 年3回(4月、8月、12月)、申し込みのあった自治体から活用法などを考慮して50自治体前後を選定。人気にあやかろうと、申し込みが相次いで選考に時間がかかるようになり、第8弾となる今年8月分からは抽選制に変更した。希望した121自治体から76自治体が選ばれた。

 第8弾までに発行したのは計364自治体の418種類。発行枚数は自治体側が決めており、累計で230万枚を突破している。

 鳴門市のマンホールのふたは、大鳴門橋と渦潮、特産の鳴門鯛とナシが描かれている。02年に公募し、鳴門中1年生のデザインが採用された。カードと同じカラー版は鳴門駅前に一つだけ設けられている。

 平日は市役所、休日は市ドイツ館で希望者に配布しており、受け取った人の住所欄には北海道、新潟、熊本など全国の地名が並ぶ。18年4月には2千枚を追加。8月末時点で2341枚が配られ、県外が76・3%に上る。鳴門市内は9・9%、同市を除く県内は13・8%だった。

 市下水道課の担当者は「最初は本当に来るのか不安だったが、想像以上。カード目当てにわざわざ足を運んでいる人が多く、市内に人が訪れる効果は出ている」と話した。

 松茂町は今年4月28日に配布を始めた。町のシンボルマーク「マッピー」と、町の花マツバギクがあしらわれている。町役場で手渡しており、用意した2千枚のうち、8月末時点の配布枚数は951枚だった。北海道、青森、沖縄などから訪れ、県外の割合は65・1%。カラー版のマンホールは路面になく、町役場東玄関に飾られている。

 一方、下水道といえば、徳島県は普及率が長年全国ワースト1位で、17年度末時点は18・1%だった。鳴門市は9・7%、松茂町は28・7%で、いずれも整備の途中。工事が終了した地域での各家庭への接続率は鳴門市が38・1%、松茂町が59・2%にとどまる。

 両市町の下水道課は「カードを一つのきっかけにして住民の下水道への理解と関心を高め、整備を促進していきたい」としている。