徳島市の洋菓子店が再現した江戸時代のカステラを味わうイベント「徳島城 殿様かすていら」が12日、同市の徳島城博物館であり、約50人が当時の食文化の一端を満喫した。
再現したのは同市の洋菓子店「オカヤマ」のオーナーパティシエ岡山康伸さん(51)。同館所蔵史料にある徳島藩士の妻が残したレシピを基に、薄力粉と和三盆糖、卵で作り、乾燥を防ぐためカップケーキの型に入れた。
抹茶と共に振る舞われ、鳴門市の主婦村沢千世さん(42)は「少しぱさっとしているけど、後味のいい素朴な味。これが昔のカステラなんですね」と喜んでいた。
試食に合わせ、岡山さんが再現までの過程を説明したほか、同館学芸員の根津寿夫さんが徳島城の祝い事などに出されていたエピソードなどを紹介した。