住民らに見守られながら、古民家が軒を連ねる通りを歩く福山さん夫妻=牟岐町沖の出羽島

住民らに見守られながら、古民家が軒を連ねる通りを歩く福山さん夫妻=牟岐町沖の出羽島

 牟岐町沖の出羽島で12日、同町川長の印刷業福山寛之さん(37)、朝香さん(31)夫妻が結婚式を挙げた。島では約40年ぶりの挙式とあって、多くの島民や観光客らが集まり、2人の門出を祝った。

 午前11時半、羽織袴の寛之さんと赤い打掛に身を包んだ朝香さんが連絡船から島に降り立つと、約200人が拍手で出迎えた。福山さん夫妻は紅白の幕が張られた出羽神社で神前式を挙げると、花嫁菓子を配りながら古民家が立ち並ぶ通りや漁港を約200メートルほど歩いた。

 沿道には住民のほか、開催中の「牟岐・出羽島アート展」の来場者やカメラマンらが集まり、2人に祝福の声を掛けたり、盛んにシャッターを切ったりした。

 2人は「島の人らから温かい祝福を受け、うれしかった。この喜びを胸に頑張って幸せな家庭を築きたい」と感激していた。住民の漁業本田憲二さん(69)は「大勢の人たちで祝うことができ、いい式になったと思う」とほほ笑んだ。

 式は、過疎高齢化が進む島ににぎわいを生み出そうと、アート展を主催する出羽島芸術祭実行委員会が企画した。今後、島での婚礼を「島婚」と名付け、PRしていく。