サッカーJ1・ヴェルディ川崎(当時)などで活躍した石塚啓次さん率いる社会人サッカーチーム「クラブ・ド・フットボール・ブエナ・ビスタ」が8日、鳴門市の鳴門ポカリスエットスタジアムで行われた徳島ヴォルティスのホーム栃木戦に先立ち、中学3年生で構成される徳島ヴォルティスU-15とエキシビションマッチを行った。

前半、前線にボールを蹴り出す石塚さん(中央)

 石塚さんはサッカー界に恩返ししたいという思いから、自身がディレクターを務めるアパレルブランド「ブエナ・ビスタ」を母体にしたチームを設立し、各地で中学生と試合を行っている。未来のJリーガーたちにプロ使用のスタジアムで試合できる機会を提供するとともに、MVPに選ばれた選手にはスペインへの短期サッカー留学を贈呈している。

前半、中角海音選手(7)の先制シュート

 ブエナ・ビスタには石塚さんのほか、元徳島の安藤寛明さん、片岡功二さん、青山隼さんらが参加。20分ハーフで行われた試合では、キックオフ直後から徳島の選手が攻め上がって得点を重ね、5-0で前半を終えた。後半からブエナ・ビスタに青山さん、片岡さんが加わり、土砂降りの雨の中で互いにボールを奪い合う展開に。それでも終盤、徳島が追加点を入れて6-0で終えた。

石塚さん(手前右)からスペイン短期留学を贈られる大本選手(同左)

 MVPには、攻守にわたって活躍した徳島の大本智也選手が選ばれ、スペイン留学の権利を獲得した。石塚さんは「大本選手は全体的に安定していて、良いプレーだった」と選出理由を説明した。大本選手は「ラストパスの精度を心掛けてプレーした。留学は一回り成長できる良い機会なので、頑張っていろいろなことを吸収してきたい」と話した。

 【得点者】徳島=中角海音(2点)、新田洸成、高田大鳳(2点)、藤島涼介

 ◇片岡功二さん 久しぶりにポカスタでプレーをして楽しかったですが、負けた悔しさもあります。もっといいプレーができればと思ったので、またサッカーの練習をしようと思います。U-15の子たちはみんなうまくて、足元の技術はどこに行っても通用するのではないでしょうか。うらやましいと思いました。

後半、相手ボールを奪いチャンスをつくる青山さん

 ◇青山隼さん 現役時代以来、3年ぶりの鳴門でのプレーで、思っていたより動けないなと感じました。コンディション不足ですね。プレーをしながらサポーターの皆さんの声援が聞こえて、「ここで戦っていたな」「幸せな環境でプレーできていたんだな」と実感しました。U-15の選手にはハーフタイムに「サッカー中心の生活をすれば、いい選手になれる可能性があるので頑張ってね」とアドバイスしました。1回すごくいいチャンスが作れたんですが、やっぱり負けて悔しいです。