那賀町教委は16日、町内の6小中学校の給食でシカ肉を使ったジビエ(野生鳥獣肉)料理を初めて提供する。野生鳥獣による農作物の被害対策として、町を挙げて普及に取り組んでいるジビエ料理への理解を深めてもらうのが狙い。
鷲敷、相生、桜谷の3小学校と鷲敷、相生、上那賀の3中学校の計約430人にシカ肉のカレーを出す。捕獲したニホンジカを一時飼育し、食材として出荷している同町沢谷のシカ牧場が肉約25キロを無償で提供。鷲敷、相生の両学校給食センターで調理する。
給食提供に合わせ、各校でジビエ料理や鳥獣害被害の実態について、総合学習の時間などで児童・生徒に説明する。メニューが好評で、シカ肉が安定して調達できれば、定期的に給食に出すことを検討する。
町教委は「町は『ジビエ料理の町』としてPRしているが、実際にシカ肉を食べたことがある子どもは少ない。おいしくてヘルシーなシカ肉の味を知ってもらい、普及に弾みを付けたい」としている。
那賀町では、ニホンジカの食害による農作物の被害額が2014年度で2603万円に上った。同年度に町内ではニホンジカ2068頭が捕獲されている。