音声がたびたび途切れたウェブ会議システムによる記者会見=都内の消費者庁会見室

音声がたびたび途切れたウェブ会議システムによる記者会見=都内の消費者庁会見室

 消費者庁の板東久美子長官は15日午後、神山町下分の神山バレー・サテライトオフィス(SO)コンプレックスで、ウェブ会議システムを使って東京・霞が関の消費者庁と結んだ定例記者会見に臨んだ。途中、東京から質問した報道陣の音声が途切れて聞こえにくくなるトラブルが発生するなど、システムの構築や運用の面で課題が浮かび上がった。

 会見では最初に板東長官が、法令改正など同庁の発表事項を説明。その後、報道陣との質疑応答に移った。しかし、記者の質問の声が途切れて聞こえづらく、長官が「もう一度お願いします」などと聞き直して答えるというやりとりを繰り返した。

 東京の会見場には河野太郎消費者行政担当相も姿を見せた。長官が「このシステムでは声が聞き取れないことが多く、改善検討課題だ」と話すと、河野氏は「7月(の大規模な試験業務)に向けてグレードアップしようと思う」と答えた。

 長官は質疑の中で、神山町に滞在中の職員が東京の他省庁の職員複数とウェブ会議で打ち合わせをした際、発言したいときに気付いてもらえなかったと説明。「ウェブ会議を進める上での工夫やルールを改善していく必要がある」と課題を指摘した。

 また、法執行に関わる事業者や被害者の情報のやりとりはウェブ会議などでは難しいとの認識を示し、「保秘のルールやセキュリティーポリシーなどの関係で、いろいろな整理が必要になる」と述べた。

 会見終了後、長官はテレビ会議システムを通じ、都内であった機能性表示食品制度に関する検討会に参加。出席者によると、ここでも長官の声が途切れる場面があった。

 消費者庁によると、会見での音声トラブルは、パソコン端末での利用を前提としたウェブ会議システムのマイクが、会見場のスピーカーの音声をうまく拾えなかったことが原因とみている。