総務省の移住体験談コンテストで第2席に選ばれた体験記を書いた黒川真太郎さん(左から2人目)と家族=阿南市新野町廿枝(同市提供)

総務省の移住体験談コンテストで第2席に選ばれた体験記を書いた黒川真太郎さん(左から2人目)と家族=阿南市新野町廿枝(同市提供)

 総務省がインターネットサイト「全国移住ナビ」で募集した移住体験談コンテストで、横浜市から移住した黒川真太郎さん(50)=阿南市新野町廿枝(はたえだ)、会社経営=の体験記をサイトに掲載した同市が、第2席の「6次産業起業賞」を受賞した。夫婦で有機農業を始め、6次産業化を実現した経緯をつづっており「小さな事業でも工夫次第で生活が可能になることを発信した」と高い評価を受けた。

 黒川さんは、東日本大震災に伴う原発事故をきっかけに、地方への移住に興味を持ち、新野町を見学。豊かな自然と地元住民グループの人情に魅了され、移住を決めた。

 2012年6月、夫婦と子ども2人で移住した後は、野菜の生産や販売を手掛けるほか、米粉を使った加工食品の商品化にも取り組み成功している。

 体験記にはこうした経緯とともに、自分で作った農作物を食べる喜びや、規格外の食材も加工品にできることに気付いた時の感動などをつづった。

 黒川さんは「全国的な賞に選ばれ驚いている。田舎への移住を考える人の参考になればうれしい」と喜ぶ。市定住促進課は「体験談を通して市の良さを知ってもらい、移住者の受け入れを進めたい」としている。

 全国移住ナビには約500件の体験記が掲載され、アクセス数が多いものを有識者が審査し各賞を選んだ。14日に総務省で表彰式が行われ、亀尾貞男副市長が表彰状を受け取った。