海部高校の合格通知を手に喜ぶ澁谷友哉さん(左)と双子の兄友昭さん=海陽町浅川の自宅

海部高校の合格通知を手に喜ぶ澁谷友哉さん(左)と双子の兄友昭さん=海陽町浅川の自宅

 脳性まひで手足がほぼ動かせないため、代筆受験で海部高校(海陽町)の入試に挑んだ同町の海陽中学校3年澁谷友哉さん(15)=同町浅川=に16日、合格通知が届いた。澁谷さんは「努力が実ってうれしい。大学進学を目指して勉強に励みたい」と期待を膨らませた。

 通知は午前10時20分ごろ、郵送で自宅に届いた。一緒に海部高を受験した双子の兄友昭さん(15)と封を開け、互いの合格を確認。家族で喜んだ。

 8日の学力検査では高校教員が代筆した。体調が優れず、3科目は車いすからベッドに移って解答したが、事前の準備もあってスムーズに進んだという。友哉さんは「配慮してもらえてリラックスできた。先生や家族をはじめ、たくさんの人が支えてくれたおかげ」と感謝した。

 代筆受験は県内の公立高校入試で初めてとみられ、友哉さんの合格は同様の障害がある生徒の選択肢を広げたといえる。友哉さんは、「自分で進路を選べるのは生きる励みになる。障害の有無にかかわらず、本人の意思を尊重できる社会になってほしい」と話した。

 県教委は友哉さんの合格を受け、来年度から海部高に臨時教員2人を加配する。海部高は全教職員を対象に校内研修を実施し、友哉さんの障害について理解を深めることにしている。