拉致問題の早期解決を訴える蓮池さん=徳島市の県教育会館

 北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん(58)=新潟産業大准教授=の講演会が16日、徳島市の県教育会館であった。蓮池さんは、日本政府が北朝鮮への独自制裁を強化したことについて「必ず効果はある。態度を軟化させたときこそ、拉致問題を進展させる絶好のチャンスだ」と強調し、約800人が耳を傾けた。

 蓮池さんは1978年、新潟県柏崎市の海岸で当時交際していた妻祐木子さんと共に拉致された。2002年に帰国するまでの24年間を「人生や夢、希望など命以外の全てを奪われた」と振り返り、厳しい監視の下で工作員としての教育を受けた体験などを赤裸々に語った。

 政府が日朝協議で合意した拉致被害者の再調査で、北朝鮮が8人死亡、4人未入国とした回答に対し、「生存情報もあり、でたらめだ。何も調査をしていない」と批判した。

 一方、北朝鮮がミサイル発射を強行し、日本が制裁を強化したのを機に拉致交渉が途切れたことを残念がった。北朝鮮が態度を軟化させるときを見据え、「拉致問題と核問題を切り離していつでも交渉できるよう準備してほしい」と政府に求めた。

 被害者本人とその家族は高齢化し、解決への時間が少ないことにも言及。「早期解決に向けて多くの人の支援が必要となる」と訴えた。