国の天然記念物の海鳥カンムリウミスズメが、牟岐町沖の出羽島周辺に飛来し、愛らしい姿を見せている=写真。5月末まで、タイミングが合えば牟岐港と島を結ぶ連絡船の船上から見ることができる。

 カンムリウミスズメは体長25センチほど。日本や韓国の一部地域にしか生息せず、毎年冬になると繁殖のため南の海域から北上してくる。頭髪を立てたような姿が特徴で、黒と白の羽毛を持ち、水中に潜って魚を捕ることから「黒潮のペンギン」とも呼ばれる。

 住民によると、出羽島周辺では1月初旬から姿を見せ始めた。現在は数百羽が飛来しており、日中はつがいか数羽のグループで魚を追い、夕方になると海上に集まって集団で眠りについている。

 カンムリウミスズメを観察している原田利宏さん(69)=同町中村、漁業=は「例年だと一つの群れは2~5羽程度だが、今年は10羽前後の大きな群れがあちこちにいる。かなり多くの個体が来ているようだ」と話していた。