徳島市の富田中学校の生徒が、徳島東署の依頼で「特殊詐欺被害防止かるた」を制作している。高齢者にかるた遊びを楽しんでもらいながら特殊詐欺被害防止の意識を高めるのが狙い。23日に校区内にある公民館4カ所に贈って防犯に役立ててもらう。
かるたは縦約13センチ、横約9センチ。読み札は「ええ話 金がらみだと 詐欺かもね」「振り込めば 戻ってこない そのお金」「オレオレで トラブル理由に だまされない」など、五七五調で特殊詐欺への注意を促している。同校の1年生128人に考えてもらった文言から46種類を選んだ。
絵札の制作は美術部員22人が担当。高齢女性が詐欺グループの犯人から電話を受ける場面など、読み札に合った絵を考え、色鉛筆や絵の具で描いた。出来上がった絵札をスキャンしてパソコンでデータ化し、カラー印刷して完成させた。
同署生活安全課がお年寄りに親しみのある遊びで被害防止を啓発できないかと考え、2月上旬、同校にかるた作りを打診した。23日は同市の昭和公民館でかるた5セットの贈呈式が行われる。他の公民館にも順次贈る。
美術部2年の篠原佳鈴(かりん)さん(14)は「一生懸命作ったかるたで遊んでもらい、詐欺に遭うお年寄りを一人でも減らせれば」と期待している。