「とくしま空き家フォーラム2016」(徳島県主催)が19日、徳島市の徳島グランヴィリオホテルであり、「空き家の利活用による『とくしま回帰』の加速」をテーマにパネル討論などが行われた。県内では住宅総数の1割に当たる約3万6千戸が空き家となっており、来場者約300人は徳島への移住を促すための空き家の利用法や課題について考えた。
パネル討論ではタレントで地域再生大賞選考委員の大桃美代子さん、大分県竹田市職員で移住支援に携わる後藤雅人さん、徳島大の田口太郎准教授(地域計画学)、飯泉嘉門知事がそれぞれ意見を述べた。コーディネーターは徳島新聞の門田誠編集委員が務めた。
後藤さんは5年余りで250人の移住を実現した竹田市の取り組みを紹介し、「空き家に人が入るだけでは地域の問題は解決しない。地域の人を引き込み一緒に動くから面白い」と話した。田口准教授は佐那河内村に移住した経験を踏まえ「移住者と地域との交流が重要」と訴えた。
知事は空き家の活用法として県内のサテライトオフィスの事例を示し「企業の拠点としての価値が生まれている」。大桃さんは「街の茶の間として子どもからお年寄りまでが集まれる空き家の活用法が普及し、さまざまな地域の課題を解決する場所にもなっている」と話した。
討論に先立ち、大桃さんが「才能は地方で輝く!移住して楽しく生きるコツ」と題して基調講演した。利活用できる空き家かどうかを判断する県の「空き家判定士」の認証式もあり、建築業務に携わる47人が選ばれた。