国内外の優れた短編映画を集めた「徳島国際短編映画祭」が20日、徳島市のあわぎんホールで3日間の日程を終えて閉幕した。3月末で休校となる那賀町の桜谷小学校の児童らに密着した「桜谷小学校、最後の174日」(小原穣監督)が上映され、訪れた約800人は熱心に見入っていた。
昨年9月から今年3月17日の卒業式までを追ったドキュメンタリーで、児童11人が休校を惜しみながらも前向きに成長していく姿がカメラに収められている。
温かく見守る教員や地域住民らが「これから寂しくなる」と漏らす場面もあり、観客の涙を誘った。
同校が徳島発ロックバンド「チャットモンチー」を特別講師に迎え、音楽を通じて交流するシーンがある縁で上映前後には児童11人とチャットモンチーの福岡晃子さん=徳島市出身=らが登壇。福岡さんは2カ月ぶりの再会を喜びながら「みんなの成長ぶりに驚いてしまう」と話した。
同校を卒業したばかりの前田結斗君(12)は「3日前の卒業式も入っていて、一番の思い出が詰まった映画」と笑顔だった。
映画祭は期間中、三好市出身の蔦哲一朗監督が古里を舞台に撮影した新作「林こずえの業(わざ)」など約60作が上映され、約4500人が訪れた。