2016年の徳島県内の交通事故による死者数は49人(48件)で、統計を取り始めた1960年以降最少だった15年の27人から22人増えた。65歳以上の高齢者は過去10年で最も多い38人(前年17人)だった。

 県警交通企画課によると、死亡事故の内訳は、自動車乗車中24人(8人)、バイク乗車中4人(5人)、自転車乗車中7人(6人)など。このうち車両単独(バイク、自転車含む)の事故は19人(6人)だった。年齢別では、65歳以上が全体の77・6%を占め、15年の63・0%を大きく上回った。

 高齢ドライバーが過失割合の高い第1当事者になったのは23件で、全体の47・9%を占めた。原因はハンドル操作ミスや前方不注意が多かった。

 国勢調査によると、県内の高齢化率(15年10月1日時点)は31・0%で、全国で5番目に高い。同課は「死亡事故に関係する高齢者の割合が高まっているのは全国的な傾向で、高齢化の進展が全国より早い県内ではより顕著に出ている」と分析。「高齢者への交通安全教育を徹底し、運転免許証の自主返納制度の周知にも力を入れたい」としている。

 一方、人身事故の件数と負傷者数は減少傾向にあり、16年は30日時点で3567件、4403人。前年の3866件、4825人を下回り、過去30年で最少になる見通しだ。