飛来した雄のコウノトリ=11日午後5時半ごろ、阿南市津乃峰町長浜

 徳島県阿南市津乃峰町長浜の休耕田に11日、国の特別天然記念物のコウノトリ1羽が飛来した。足輪から、千葉県野田市の飼育施設「こうのとりの里」で6月に巣立った雄の幼鳥と判別された。8月に広島県安芸太田町で目撃されており、餌を求めて飛来したとみられる。

 地元住民によると、正午前後に飛来し、休耕田でザリガニなどの餌を食べていた。午後6時20分ごろ南へ飛び立った。

 野田市によると、コウノトリの名前は「りく」。3月に人工繁殖でこうのとりの里で生まれた。同施設で巣立った別の個体は5月に鳴門市と神山、松茂両町にも飛来している。

 阿南市でコウノトリが確認されたのは2013年9月以来。同市津乃峰町長浜の布川春重さん(78)は「コウノトリを見たのは初めて。すみ着いてくれたらうれしい」と話した。