「阿波おどりプレス」の誌面イメージ

 徳島が誇る伝統芸能、阿波踊りの魅力を世界に発信する無料情報誌「阿波おどりプレス」が今春、創刊される。企画、発行するのは阿波踊り情報誌「あわだま」の編集長を12年務める南和秀さん(48)=徳島市名東町3、猿楽社代表。踊り子の写真を大胆に配置したスタイリッシュなデザインを採用し、日英仏の3カ国語で見どころを伝える。情報誌と併せて、電子版も無料公開。南さんは「世界を見渡せば、阿波踊りを知らない人が大多数。そうした人たちの心に響く情報を発信したい」と意気込んでいる。

 踊り方や歴史を解説するだけでなく、鳴り物や道具を作る職人のこだわり、阿波踊りを生んだ徳島の風土や産物なども含めて、多面的に阿波踊りを伝えていくという。

 A4判、カラー32ページで年1回の発行。第1号は5月ごろ発行の予定だ。20万部作製し、首都圏を中心に訪日外国人らが集まる宿泊施設や飲食店のほか、踊り連の海外公演先などで配布する。

 誌面(イメージ)には、見開き2ページいっぱいに広がる「AWAODORI」の文字や、躍動感あふれる踊り子たちの写真を配置。人目を引く洗練されたデザインに仕上がっている。

 「阿波踊りを知らない外国人に訴え掛けるには、ビジュアルの力を活用するのが効果的だ」と南さん。ドイツなど欧州で受賞歴のあるグラフィックデザイナー、相澤幸彦さん(43)=横浜市=に誌面デザインを依頼した。

 情報誌と同時に公開する電子版では、踊りの魅力をさらに知りたい外国人のため、取材に基づく豊富な情報も掲載。踊りイベントや写真展など、多彩な仕掛けも検討中だ。

 若者を中心にコミュニケーションツールとして浸透した会員制交流サイト(SNS)などを通して阿波踊りの情報や映像が広く発信されるようになり、県や国などの公的機関も踊り情報をウェブサイトで海外に発信している。ただ、日本語の情報量と比べると著しく少ないのが実情だ。南さんは「阿波踊りの文化や伝統に興味を持った外国人の疑問に、きちんと答えられるコンテンツを作っていきたい」と抱負を語る。

 情報誌創刊の最終的な目標は「世界から徳島へ、人の流れを呼び込むこと」とし、「海外からの見物客で活気づく徳島、その活気によってさらに進化する阿波踊りを見たい」と話している。

 南さんは県内の出版社勤務を経て、編集者として独立。2004年から「あわだま」などを発行し、全国の阿波踊りファンの心をつかみ続けている。