12日午前7時ごろ、徳島市中島田町3の高齢者施設の敷地で、清掃作業員の60代男が同僚の40代女性の胸などをナイフで刺し、けがを負わせて逃走した。男はナイフを所持しているとみられる。徳島名西署は殺人未遂の疑いで行方を追うとともに、現場周辺の小中学校に警戒するよう呼び掛けた。

 県警によると、男は施設駐車場から建物につながる通路で、出勤してきた女性を待ち伏せし、いきなり押し倒した。持っていたナイフで女性の胸など数カ所を突き刺したが、抵抗されたため女性の体から離れ、自転車か徒歩で逃走した。

 現場には犯行に使ったナイフが残されておらず、男が所持したまま逃走している可能性が高い。

 県警が緊急配備するなどして行方を捜している。男は165センチくらいで短髪の痩せ形。色は不明だが、長袖の上着と長ズボンを着用していた。

 女性は徳島市内の病院に搬送され、全治半月のけがを負った。県警は、2人の間に個人的なトラブルがあり、男が恨みを募らせて犯行に及んだとみている。高齢者施設関係者によると、11日昼、男と女性が仕事を巡り言い争っていた。

 男は、施設が清掃業務を委託している清掃会社のアルバイト従業員。同社によると8月初旬に雇用され、勤務態度に問題はなかった。施設関係者は「礼儀正しくよく仕事をする人だった。事件を起こすとは思わず、驚いている」と話した。

 現場は蔵本駅から北西へ約1キロで、住宅や商店が立ち並んでいる。