コウノトリの卵を持ち去るカラス=5日午後3時半ごろ、鳴門市大麻町(読者提供)

 鳴門市大麻町に居着いているコウノトリの巣にある卵が5日、カラスに襲われ、持ち去られた。本格的な抱卵に入ってから11日目、兵庫県豊岡市と周辺地域以外では初めてとなる野外でのひな誕生は絶望的となった。

 観察していた住民によると、同日午後0時半ごろ、コウノトリのペアが巣を離れている隙にカラス1羽が飛来。辺りを警戒しながら巣の中をつついた後、数分後に離れた。同3時20分ごろにはカラス2羽が相次いで飛来し、うち1羽が卵1個をくわえて飛び去った。この日、コウノトリの雌は1度も巣に帰っておらず、雄も3時間以上巣を離れることがあった。

 卵が襲われるのを目撃した40代男性は「非常に残念。産卵をあきらめ、鳴門を離れることがなければいいのだが」と肩を落としていた。

 コウノトリのペアは3月26日に本格的な抱卵に入り、今月下旬のひなの誕生が期待されていた。しかし、4日に雄が雌を巣に寄せ付けなくなり、巣を空けるようになっていた。

 カラスの「襲撃」を受け、県と兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)は対応策などについて協議した。県の担当者は「ふ化は厳しい状況だ」と指摘。ただ、豊岡市では繁殖期に再び産卵するケースが見られることから「産卵に影響が出ないようにするため、巣の中を調べるかどうかを含めて慎重に対応したい」と話した。