ひな人形を並べ、山間部での農作業の風景を表現する折目さん=つるぎ町貞光

 「二層うだつの町並み」で知られるつるぎ町貞光の貞光中央商店街周辺を、約3千体のひな人形で飾る「桃花遊々(とうかゆうゆう)」が9~11日に開かれる。今年のテーマ展示は「世界農業遺産の認定を目指して」。剣山山系の急傾斜地に残る伝統的農法や農業文化を、住民手作りの家屋、人形、農具などで表現し、2017年の世界農業遺産登録への機運を盛り上げる。

 旧永井家庄屋屋敷(町指定文化財)、旧商家・織本屋(国登録有形文化財)をはじめ古い建造物が並ぶ貞光中央商店街や貞光駅周辺などで、約70の店舗、民家の軒先にひな人形を飾る。

 急傾斜地農法を紹介するのは、主会場の旧永井家。同町一宇で約230年前に建てられた「下木家住宅」の母屋など6棟を、30分の1の縮尺で再現展示する。周辺には斜面の土を持ち上げる「サラエ」、土を耕す「テンガ」といった独特の農機具を持った人形、カヤを束ねて円すい状に積み上げる「コエグロ」のミニチュア模型を並べる。

 このほか、縦2メートル、横5メートル、奥行き2メートルの傾斜地で、人形が思い思いに農作業にいそしむ大がかりなセットも。豊作祈願の踊り「お亥(い)の子さん」、念仏を唱えながら数珠を回す先祖供養の「数珠回し」など、県西部山間地に残る伝統文化を紹介するユニークな展示も目を引きそうだ。

 これらの人形や小道具は、イベントを主催する住民グループ「会音(あいね)の和」実行委のメンバーが昨年10月から、端材や糸式ようじ、竹串などを使って製作してきた。

 旧暦の桃の節句に合わせて開いており、今年で14回目。実行委の折目義貴(よしつら)委員長(74)=同町貞光東浦=は「昔ながらの県西部の農作業の風景や文化に触れ、世界農業遺産登録活動への理解を深めるきっかけになれば」と話している。問い合わせは町商工会<電0883(62)2222>。