最大震度7を観測した北海道南西部の地震の発生から、きょうで1週間になる。
大規模な土砂崩れがあった厚真(あつま)町を中心に、死者41人、負傷者は681人を数え、なお1630人が避難を余儀なくされている。建物被害は全壊が99棟、半壊119棟に上った。

 主力発電所の損傷による電力不足に加え、交通や流通網の混乱も続く。日常生活や企業活動は、広域的に大きな制約を受けたままだ。

 秋の深まりの早い北海道は連日、気温10度以下にまで冷え込む。これから寒さは、さらに厳しさを増す。政府は暮らしの再建に全力を挙げなければならない。

 電力の安定供給には、地震で停止した苫東(とまとう)厚真火力発電所の再稼働が欠かせない。北海道電力によると、当初1週間としていた全面復旧は、11月以降になる見通し。暖房需要の増加が見込まれる中、供給不安は長期化しそうだ。

 計画停電といった事態になれば、影響は格段に大きくなる。北海道電には、できる限り復旧を前倒ししてもらいたい。市民や企業が節電に努めることも大切だろう。

 今回の地震では一時、全域の約295万戸が停電(ブラックアウト)した。日本では初めてのケースとみられる。

 その引き金となったのは苫東厚真の緊急停止である。全3基で出力は計165万キロワットあり、地震直前は道内の電力需要の約半分を担っていた。

 これが被災したことで供給が急減し、不安定な状態での電力供給を避けようと、道内の各発電所がドミノ倒しのように停止した。

 非常の際などには、全国的に電力を融通できる仕組みがある。ただ、北海道と本州間で電力を融通する「連系線」の容量は60万キロワットしかなく、十分ではなかった。主力火電の3基が同時に停止するケースを検討していなかったことも、ブラックアウトを招いた一因とされる。

 泊原発が稼働していれば防げたという主張もあるが、ブラックアウトに至る過程は複雑で、それほど単純な問題ではない。なぜ発生したのか、徹底的な検証を求める。

 同様の危険性について、四国電力は「全域が停電となる可能性は極めて低い」としている。本州と四国には、最大140万キロワットと120万キロワットの2系統の連系線があるほか、主要な発電所が分散しているためだ。

 見逃しているリスクはないか、いま一度、点検すべきだ。

 今回の地震では、土砂災害の恐ろしさも、まざまざと見せつけられた。

 南海トラフ巨大地震の発生確率が高まる徳島県内では、津波対策に目が向けられがち。だが、山間部でも甚大な被害が発生する恐れはある。
官民挙げて、一つ一つ確実に危険性を取り除いていかなければならない。