大勢の観客の前で繰り広げられた襖からくり=神山町神領の小野さくら野舞台

 神山町神領の小野天王神社にある小野さくら野舞台で10日、年1回の定期公演(第9回)があった。過去最多の500人が詰め掛け、人形浄瑠璃や襖からくり、和太鼓の公演を堪能した。

 地元の寄井座が親子の慕情を描く「傾城阿波鳴門 十郎兵衛内の段」を上演した後、野舞台保存会の21人が襖100枚を操って、竜や城、獅子など30景を表現。瞬時に場面を転換する「田楽返し」「引き分け」などの技に歓声が上がった。舞台周辺のヤマザクラからは時折、花吹雪が舞い、風情が漂った。

 今年の定期公演は、保存会が同町出身の関西在住者でつくる近畿神山会を初めて招待し、会員43人が鑑賞。柳澤尚会長(76)=兵庫県西宮市=は「伝統を守る地元の情熱が伝わってきて感動した。日本が守るべきは地方の伝統文化だと思った」と述べた。

 3年前に喉頭がんで声帯を全て摘出しながら活動する保存会の小川一清会長(73)は「大勢の観客と関係者の支えのおかげで、過去の公演にないほど最高だった。さらに次へという気持ちが湧いた」と話した。