上板町が本年度、町内での農地の売買や賃借、耕作放棄地の再生などに対し、独自の補助金を交付する「町単独農地集積促進事業」をスタートさせた。農地の集積を進めて、意欲のある認定農業者らの経営基盤強化を支援するのが目的。農地の集積が全国的な課題となる中、県内市町村で独自の補助を行うのは初めて。

 農地の売買では購入者と売却者の双方に、10アール当たり10万円を交付。賃貸借は3年以上の契約を条件に、借り手に10アール当たり1万円を交付する。買い手、借り手は町が定めた一部の認定農業者と認定新規就農者が対象。

 町が認定した耕作放棄地の再生や土壌改良に取り組む場合は、10アール当たり5万円を交付する。認定農業者以外の一般農家も対象となる。

 上板町は露地野菜などの栽培が盛んな一方で、約32ヘクタールの耕作放棄地がある。町は事業により、米や野菜、特産の藍などで農地の集積を後押ししたい考え。2016年度は事業費として100万円を計上し、農地の売買に60万円、賃借に20万円、耕作放棄地の再生と土壌改良に20万円の交付を見込む。いずれも一般財源を充てる。

 農地の集積は、環太平洋連携協定(TPP)の発効などを見据え、政府が競争力を強化するため積極的に進めている。14年度には、各都道府県に農地の貸借を仲介する農地中間管理機構(農地バンク)が設置された。しかし、貸借の条件が10年間と長期にわたることなどがネックとなり県内を含めて全国的に低迷し、上板町内でも利用実績はない。

 七条明町長は「農業を取り巻く環境は厳しいが、独自の補助金を生かして農地の利用促進を図るとともに、やる気のある農家を支援していきたい」と話している。